ネオ仏法は、小乗も大乗もはるかに超えてゆく-⑤ポジティブ三法印への展開

従来の三法印(さんぽういん)解釈をチェックしてみる

こちらの記事の続きになります。
ネオ仏法は、小乗も大乗もはるかに超えてゆく-④ワンネス、宇宙そして空(くう)

前回の記事で、

  • 実在が現象している究極の目的は幸福論にあること
  • 空理論の新展開として、「実在面と現象面の双方向から空を理解していくこと」
  • いっそ、実体概念(定義)を更新してしまう提案

について、書いてみました。

さて、今回は、私たち一人ひとりが「現象している」ということを踏まえつつ、実人生において最大の収穫を得るために、はどうしたら良いのか?

そして、新時代に適合する仏法(ネオ仏法)はどうあるべきか?ということで、仏教の旗印と言われている三法印の更新(アップデート作業)を行っていきます。

三法印(さんぽういん)は、

  • 諸行無常(しょぎょうむじょう)
  • 諸法無我(しょほうむが)
  • 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

の3つです。

従来の仏教および仏教学の解釈では、

  • 諸行無常:一切の事象は変転変化していくこと
  • 諸法無我:一切の事象はそれ自体で存在することはできない
  • 涅槃寂静:無常・無我の理を悟り、執着を断つことによって、輪廻から解脱する

ということになっております。

これらの解釈は、小乗・大乗を通して、ベースの部分は変わっていないでしょう。

もちろん、大乗仏教では、「涅槃に安住せず、現世に戻り救済業にいそしむ菩薩」(無住処涅槃・むじゅうしょねはん)ということで、涅槃観により積極的な意味合いをもたせております。

また、「諸法実相」の思想で、「この現象界もやはり仏・真理の現れである」というふうに、現象界にプラスの意味合いを持たせることには成功していると思います。

しかし、

では、仏教が小乗・大乗を問わず、近代以降の文明に思想的な根拠を与えることができているか?というと、はなはだ心もとないのが現状ですね。

むしろキリスト教のほうが、プロテスタンティズム以降、現象界の発展の原動力になってきたことは周知の事実です。

現代仏教思想の最先端であっても、「近代以降の西欧型文明・競争的世界観が限界を露呈している状況で、仏教が示す「関係性の世界観」を見直す意義は大きい」ということで、せいぜい、補完的な方向性を示すだけにとどまっているのではないか?と思います。

その理由は、諸法実相の思想であっても、あるいは、華厳経学の事事無礙法界(じじむげほっかい)の思想であっても、「世界はこのように有る」という、いわば、「存在の様態」の説明でとどまっている、というところにあると思われます。

しかし、ネオ仏法では、「実在(仏)は「現象する」ことによって自己開示をしていく」という立場をとりますので、文字通り、「現象界」により積極的な根拠を与えていくことができる、ということになります。

そのための基礎理論として、三法印解釈のアップデートですね、これを行っていきたいと思います。

ポジティブ三法印への転回

具体的には、「縁起の理とは何か – 「存在と時間」」という記事ですでに基礎理論の準備はできています。

この記事に基づいた三法印解釈は、

  • 諸行無常:変転変化していくという時間論→原因結果の連鎖→智慧の獲得
  • 諸法無我:それ自体では有ることができないという存在論→関係性の連鎖→慈悲の発揮
  • 涅槃寂静:無常・無我の理を悟り、「実在」の視点から「現象していく」幸福論

ということになりますね。

従来の三法印解釈は、たとえば、

  • 諸行無常:全ての事象は変転変化の中にある
  • 諸法無我:全ての事象はそれ自体で有ることはできない

という、いわば、「受け身の三法印」ですね、言い換えれば、「パッシブ三法印」(英語に直しただけですが)。

「世界は(時間は)そのように有る」という受け身の世界観です。

しかし、私たち一人ひとりには「現象する」存在として、自由意志が与えられています。そうであるならば、時間論においても存在論においても、主体性に基づいた解釈があっても良いはずです。

具体的には、

  • 諸行無常:主体的に変転変化を起こしていく(時間論)
  • 諸法無我:主体的に関係性を構築していく(存在論)

という主体性に基づいた解釈です。

ポジティブ無常

諸行無常からは、仮に「ポジティブ無常」と命名してみます。主体的な諸行無常。「自ら、諸行に無常を引き起こしていく」ということです。

もっとも、無常を引き起こしていくと言っても、「良い無常、悪い無常」があるのは言うまでもありません。

仏教の基本姿勢は、七仏通戒偈(しちぶつつうかいげ)で説かれているように、
*七仏通誡偈:過去七仏が説いた教え=永遠の真理

  • 諸悪莫作(しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すこと莫く(なく)
  • 衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう) ― もろもろの善を行い
  • 自浄其意(じじょうごい) ― 自ら其の意(こころ)を浄くす
  • 是諸仏教(ぜしょぶつきょう) ― 是がもろもろの仏の教えなり

ということですから、ポジティブ無常とは、「良い無常を引き起こす」ということになりますね。

これは、

  • ミクロのレベルでは、良き自己変革をなすこと
  • マクロのレベルでは、世の中の役に立つようなイノベーション・発明をなしていくこと

ということになります。

イノベーションという概念は、オーストリアの経済学者、シュンペーターが初めて定義したものだと思います。

具体的には、

  1. 新しい財貨の生産
  2. 新しい生産方法の導入
  3. 新しい販売先の開拓
  4. 新しい供給源の獲得
  5. 新しい組織の実現

と5つ挙げられていますが、シュンペーターにおけるイノベーションは、「異質なものの結合で新しい付加価値を創出する」というところに主眼があるように思われます。

その後、経営学者のドラッカーも「イノベーションを引き起こす7つの機会」について語っています。

  1. 予期せぬ成功と失敗を利用する
  2. ギャップを探す
  3. ニーズを見つける
  4. 産業構造の変化を知る
  5. 人口構造の変化に着目す
  6. 認識の変化をとらえる
  7. 新しい知識を活用する

ドラッカーのイノベーションは、「過去の成功体験を体系的に廃棄し、構築し直す」というところに主眼があるようです。

それぞれの個別具体的な理論までは今回は立ち入りませんが、

少なくとも方向性として、「ポジティブ無常」が現代的な経済学・経営学の方向性とも合致させることができる、ということはご理解頂けるのではないかと思います。

これは、宗教学的に言えば、「労働の聖化」にあたります。

いずれにせよ、「ポジティブ無常」においては、イノベーション=革新、つまりまずは、智慧の獲得に関わってきます。

これはむろん、個人におけるイノベーションすなわち自己変革においても同様です。

ポジティブ無我

「智慧を拡める行為が慈悲」というネオ仏法の定義で行けば、「ポジティブ無我」は、「ポジティブ無常」で獲得された智慧を広げる、ということで、よりマーケティング志向に関わってくるでしょう。

そういう意味でも、現代のマーケティング理論とも整合をとれますし、いやむしろ、マーケティング理論に方向性を与える働きがあります。

マーケティングにも、「良いマーケティング」と「悪いマーケティング」がありますからね。

良いもの(製品・知識)を戦略的に拡散させれば、やればやるほど天国的なマーケティングになりますが、悪いものを(製品・知識)を戦略的に拡散させれば、やればやるほど地獄的なマーケティングになります。

従来のマーケティング理論では、この「良い/悪い」の前提がほぼ無視されている状況でしょう。

「ポジティブ無我」によって、マーケティングに善悪の価値基準の理論的基礎づけを提供することができるようになります。

そもそも、こうした倫理的基礎づけが宗教や哲学の仕事であったはずです。

ポジティブ涅槃

  • ポジティブ無常:主体的に変化を引き起こしていく→智慧
  • ポジティブ無我:主体的に関係性を構築していく→慈悲

ということで、

ポジティブ涅槃は、智慧×慈悲の公式により、個人の心理的安寧(従来の涅槃解釈)にとどまらず、私達がいま住んでいるところの現象界を積極的に仏国土へ変えていくこと、

そして、そうした営為に参画することそのものが真の幸福論である、という定義となります。

そうすると、個人や企業、共同体・社会において、つまり、現象界における各々の現象において、智慧×慈悲=仏国土が推進されるということは、すなわち、実在(仏)そのものの智慧×慈悲の総量が増えていくことに合致していきます。

これすなわち、仏国土の拡大、ということになりますね。

このことは、「ネオ仏法は、小乗も大乗もはるかに超えてゆく」シリーズ各編の議論の流れからもぴたりと整合性がとれます。

以上が、三法印の新展開ということになりますが、ひとつ注意点があります。

それは、ポジティブ三法印は、従来の三法印解釈を廃棄しているわけではなく、むしろ、ベースにしている、ということです。

*もっとも、「輪廻からの解脱が涅槃である」という解釈は、「迷いの輪廻からの解脱が涅槃である」という解釈へ変えています。

やはり、現象界に生きる私たちとしては、「無常なるものは苦であり、苦なるものは無我である」ということ。

すなわち、「無常な世界において常住を望んだり、自我意識に執われていると、それは苦しみである」という真理も忘れてはいけないと思います。これがベースです。

まず、マイナス心理の状態をプラマイゼロにして、それから積極的な段階に進むのが順序、ですね。

ポジティブ三法印については、ここを起点に無限の各論が出てくると思います。

ネオ仏法の思想に賛同してくださる方が、おのおのの持ち場・専門分野で各論を開花させて頂ければありがたいです。

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