苫米地英人の人気の秘密とスピリチュアリズム

A次元
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苫米地英人さんの人気の秘密

今まで、話題の苫米地さんのご著書は読んだことがなかったのですが、この方の名前も何かとよく出てくるので、「ちょっと読んでおこうかなあ」と、

夢が勝手にかなう脳』と『思うがままに夢がかなう 超瞑想法』の2冊を読んでみました。

ここ最近、スピリチュアル系-脳科学系-量子論系にまたがっている人とお茶していると、

「情報空間」とか「抽象度を上げるとね!」とか、「前頭前野が…」とか、そういう専門用語が出てきて、「すんごいカッコイイなあ!」と羨ましかったんですよね。笑

苫米地さんのご著書を読んでみると、まさに上記の用語がいっぱい出てきますので、

「あ。この人の思想・用語が元になっているのかなあ?」と、思った次第です(他に元ネタがありましたら、お教えください!)。

で。僕が読んだ感想としては、

  • 思想史・哲学史から見れば、とくに新しいことを言っているわけではないが、造語が新鮮でインパクトがある
  • 自説の導入部分/概略部分/たとえ話がわかりやすく、それでいて、1−2割をスパイス的に上記の造語を入れているので、「読んでいるだけで、頭がよくなったかのような興奮」が味わえる。笑
  • 言っている内容としては、突き詰めれば「思いは実現する」といったあたりの思想と特に変わりはないので、これで自己変革できる人はやはり少数派だろう。
  • だけど、「分かりやすく、かつ、頭が良くなった気にさせてくれる」ので、また読みたくなり、結果、ベストセラー連発。というふうになる
  • とはいえ、形而上学で終わりがちな仏教的な空(くう)の思想を、実践的な自己実現理論に結びつけている論理構成力は素晴らしい
  • しかし、「無神論・無霊魂説である」というところは、「空」の論理の突き詰め(情報空間と物理空間の関係性)に甘さがあると言わざるをえない。実在世界の観点からすると判定はきびしい。もしかしたら、「素朴で信心深いおばあちゃん」より下の世界に行ってしまうかもしれない(というか、たぶん、そうなる)
  • 「金融資本主義」批判、「自衛隊を解散して、その資金を途上国に配れば」というあたり。政治・経済についての見識が甘すぎるのではないか?苫米地さん流に言えば、「スコトーマ(心理的盲点)」になっているのではないか?

と、こんな感じです。

苫米地さんの「抽象度を上げる」を検証してみると

これは、プラトン哲学などで言われている「イデア(理念)」論を現代風にお洒落に言い直したものですね。

イデアにも実在性の諸段階がある。ということで、当サイトでも触れたことがあります。

たとえば、

コーヒーカップとグラスコップの2つが目の前にあるとします。

これは、一応は、別個(この場合は2個)のものとして認識されますが、

より上位の概念である、「カップ」という概念から(つまり、「抽象度を上げる」)は、1つに統合される、ということです。

さらに上位概念である「水分を入れる容器」という概念を持ってくれば、計量器なども1つに統合されていくことになります。

またさらに、「利便性」という思いっきり大きな概念のもとでは、世の中に存在するかなりの物体を包含することになりますね。

ただ、こういう思考方法は、とかく「形而上学の遊び」で終わりがちなんですが、

「抽象度を上げることによって、悩みが悩みでなくなる」という、きわめて実践性が高いところへ誘導されているのは、さすがだな、と思いました。

たしかに、これで自己実現が加速したり、悩みが小さくなっていく人もいらっしゃることでしょう。

また、抽象度を上げるための日常的な訓練法もいろいろと紹介されています。これは僕にとっても参考になりました。

こういった「抽象度を上げて、悩みを無化する」というのは、当サイトで言うと(初期仏教理論で言うと)、

現実世界には四苦八苦があります。そして、現実世界を現実世界のままで捉えていると、文字通り、四苦八苦とがっぷり四つに格闘することになります

しかし、「実在世界の価値観」という、より高次元の視点から見ると(苫米地さん流に言えば、「抽象度を上げる」「物理空間を情報空間の写像と考える」と)、四苦八苦も「人生のRPGゲーム」のようなものになり、苦しみが苦しみでなくなります

ということになります。

うーん。でもたしかに、苫米地さんの用語は格好いいですね。笑

とはいえ、やはりいくつかの問題点、突き詰めの甘さがあると(僕には)思えますので、

苫米地さんの用語・用法である、「A(アブストラクト)次元」「情報空間と物理空間」「スコトーマ(心理的盲点)」

など、いくつか取り上げて、次回から検証していきたいと思います。

やはり、苫米地さんは現代の知的巨人のひとりであることは疑いないと思いますが、

多くの人は、「本を読んでも、本に読まれてしまう(著者の主張に無批判に丸め込まれてしまう)」ということになりがちです。

そういう意味で、本を読むときにも、「知的格闘」が必要だと思うんですね。これが、知力(認識力)を引き上げる源泉になります。

自分自身の訓練も含めて、いくつか検証していきたいと思います。

 

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