”空の論理”でベーシックマインドを強化する
「神経症・うつ病撃退大全 – ①ネオ仏法式ベーシックマインド」の続きです。
感情は天気のようなもので、つねに移り変わっていきます。
そして、私たちは天気について”自分ごと”として悩むことはしないように、自分の感情についても、突き放した視点で、
たとえば、「あ、ちょっとザワザワしてるかな、でもまあ、そういうこともあるかな。この気持もまた過ぎ去っていくし、実体のないものなんだな」と捉えていくことができれば、これは”対処できている”ということになるわけです。
- 無常:過ぎ去っていく→時間論
- 無我:実体のないもの→存在論
ということで、
時間論的無常、存在論的無我の両者の視点で把握していきます。
時間において無常、存在において無我。
両者を合わせて、「一切皆空」と、”囚われ、執着”をバッサリ切って捨てていくわけです。
このように、「あってもなくても、別にどっちでもいい」というスタンスを手に入れれば、神経症特有の「予期不安」におおかた対処することができるようになります。
これが、森田式療法で言うところの「あるがまま」な心境に相当します。
これがベーシックマインドです。
このベーシックマインドを育てるために、上述した一切皆空(空の論理)が説かれている『般若心経』を読誦、習慣化することはけっこうポイント高いです。
「祈り/瞑想/読誦」に般若心経全文を載せています。
『般若心経』はわずか262文字のなかに”一切皆空”を筆頭に、基本的な仏教教学が詰まっていますので、毎日読誦することによって、仏教的価値観が身体に染み込むようになっていきます。
般若心経の解説については、「般若心経の悟りを超えて」シリーズをご参照ください。
このようにして、ベーシックマインドを育てていきます。
マインドフルネスで”こころのホームボタン”を手に入れる
上述したことは、”心構え”の範囲です。
これだけでもだいぶ気持ちはスッキリしてくるはずですが、さらに実践的に対処していく方法をお教えいたします。
神経症における予期不安というのは、「あ、今、不安が来つつある」ということで、実際はこれは誰しも不安感情を持つことはあるのですが、
神経症的な”予期不安”では、その初期的な不安感情を特別視しすぎて、かえって感情を拡大させてしまう(招き寄せてしまう)ところに特徴があります。
逆に言えば、「不安が来つつあるが、来ても撃退することができる」という自信と経験が備えられるようになれば、「いくらでも対処できる」という心構えが出来ますので、予期しても別にどうということはない、ということになりますね。
この自信がないからこそ、だんだんパニックになっていくわけです。
たとえば、スマホを操作していて、アプリを立ち上げすぎて、「わーっ!」となったとします。
その際、使っていないアプリをいちいち消していくのもありですが、いちばん簡単な方法は、”ホームボタン”を押してしまうことです。
そうすれば、デフォルトの(文字通り)ホーム画面に戻ることができます。
「戻れなくなってしまうかもしれない」と思うからこそ、「わーっ!」と混乱してくるのが予期不安状態ですが、仮に予期不安が起きても、「いつでも戻れるわ」ということであれば、それほど気にしなくてもすみますね。
この”ホームボタン”に相当するのがマインドフルネスです。
マインドフルネスと聞くと、これはこれでだいぶ訓練が必要…と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
マインドフルネスの実践法について様々な本がでていますが、基本的な方法論としてはとてもシンプルなんです。
そして実際のところ、”応用編”などはあまりやる必要もなく、基礎的なマインドフルネス、すなわち、”呼吸法”だけで必要にして十分です。
実際に、私自身もベーシックな呼吸法以外、ほとんど使っていません。
それで、「ざわついてきたかな??」と思っても、ベーシックな呼吸法(仕事しながらでもできます)を1分もやれば、すぐに平静・清澄なこころに戻ることができます。
いつでも戻ることができるから、「こころのホームボタン」であり、これを備えているから、こころのざわつきなど全くこわくないわけです。
マインドフルネスの実践方については以前も少し書いたことがあります。
参考記事:マインドフルネス(ヴィパッサナー瞑想)の効果と限界 – ①
やり方的には、(少なくとも私が実践している範囲は)この記事で書かれていることがほぼ全てです。
なので、繰り返す必要もないかな?とも思いますが、復習も兼ねて、次回ですね、呼吸法とプラスいくつかの応用をご紹介していきます。