僕らはマーケティングに取り囲まれているー金融・財政政策編②

「リーマン級か東日本大震災級の事態でない限り、
消費税は予定通り10%に上げる」

と、安倍総理が発言していたので、このトピックスを書かねば、
と思ってるうちに、増税延期になりまして、書くのが遅くなりました。

そこはホッとしてるんですが、相変わらず
財務省は、財源の確保はどうするウニャウニャ言ってる
模様です。

僕が、消費税は上げない方がいい、と主張している根拠は、
まず単純に、統計的に、消費税を導入・増税した後は、
景気が停滞するという実績があるからです。

97年の橋本政権の時は3%→5%へのアップでしたが、
結局、消費自体が減退してしまい、その後のデフレ不況
定着への道を作ったわけです。

景気が停滞するということは、GDPが伸び悩む。
そしてそれは、全体のパイ自体が減るということですから、
結局は、税収自体も落ち込むんです

その現象は、安倍政権の消費税8%アップへ、の時も
同じシナリオでしたね。

せっかくデフレ脱却しかけたときに、消費税アップを
敢行したおかげで、『3本の矢」で設定したインフレターゲット
2%は今にいたるまで実現できていません。

新自由主義経済学のオピニオン・リーダーである、
ポール・クルーグマン氏も事前に警告していたのに。

財務省はこの教訓を全く学んでいませんし、
安倍さんにしても(というか麻生さんか)財務省に
ココまで気を使う必要があるんかな、と思っていたのですが。

でもとりあえずは、先送りになっただけでもまだいいでしょう。

***

まず、押さえておかなければいけないことは、
財政再建とデフレ脱却は同時にはできないんですよ

というのも、上述したように、増税をすると
消費が停滞して経済のパイ自体が縮小する。
その結果、景気回復もしなければ、財政再建にも
マイナスになるんです。

GDPの主体は、政府・企業・個人・純輸出
で構成されています。

そして、日本のGDPの約55%は個人消費です

これ、意外に思うかもしれないですけど、
日本は貿易立国ではないんです。

わりあいに信頼性の高い記事を配信している「現代ビジネス」
(オンライン)でも、「日本の輸出が景気を云々」とか
書かれてあるのを見かけましたが、それは誤解です。

日本は先進国ではアメリカに次ぐ、個人消費大国なんです。

これって、国内転売や輸入転売をやられている方って
実感できてるんじゃないかって思うんです。

日本人の購買力ってやっぱすげーな、と。

なので、消費税増税のインパクトも大きくなるんですね。

***

じゃあ、デフレ脱却のためにはどうすればいいか?

実は、答えは、「3本の矢」の中にちゃんと書いてあるんです。

つまり、

 機動的な財政出動

これです。

ここのところが、金融緩和に比して少なすぎるんです、
財政出動のボリュームが。

少なすぎた理由としては、やはり財政再建論者に押されたのか。

「財政出動するためには、さらなる国債発行が必要で、
日本はますます財政赤字がーーー!」

って論理ですね。

これについては、
僕らはマーケティングに取り囲まれているー財務省編
で反論しておいた通りです。

GDPの主体である、個人消費、企業の設備投資が少ないんであれば、
もう、政府がお金を使うしかないじゃないですか。
他に誰が使う?

すなわち、もっと大胆に財政出動して公共投資を行うべきです

公共投資。
たとえば、高速道路、トンネルや橋の補修、などですね。

こういった公共投資は、それに携わっている業者が多岐にわたるので、
経済波及効果が大きい。

ゆえに、儲かる企業が増える→収入が増える→消費が増える
→税収も増える
という、良いスパイラルに入るわけです。

で、その間は、未来産業に投資しておくわけですね。
将来の経済成長の種をまいておく。

そして、インフレが加速してきたら、
その時に、緊縮財政の出番というわけです。

これが正当な順番だと思います。

***

これ。高橋是清(たかはしこれきよ)って
良い前例があるんですね。

1927年の昭和金融恐慌時には、
紙幣の大量印刷+公共事業・軍事予算の積極財政政策
で、欧米に先駆けて、デフレ脱却を果たし。

その後、インフレに転じてからは、一転して緊縮財政をやりました

まあ、その時に、軍部の予算を削ったのはけしからん!国賊だ!
ってことで、2.26事件で暗殺されてしまったわけですが。

金融・財政政策としては正解で、これは今でも有効だと思います。

現在の公共投資額は、1985年のレベルより低い、欧米先進国より低い
と三橋貴明さんの著作か何かで読んだ記憶がありますが。

地震など天然災害が多い日本で欧米より公共事業を減らす
ってのも、なんだかなーと思いますよ。

それから、「コンクリートから人へ」と一見、ひとに優しい(?)
キャッチコピーにひっぱられて民主党を選んでしまった悲劇が
記憶に新しいところですね。

人にバラまいたって、将来に希望が持てなければ、
消費じゃなくて貯蓄に回ってしまうんですから、
デフレはいっそう深まるばかりですね。

***

いや、でも!

少子高齢化が進む社会で、所得税なんかの直接税に
頼るのはどうか?やっぱ消費税(間接税)は上げるべきでは?

という論調もあります。

この点は、to be continued..

 

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