心の領域の広さが、来世での豊かさを決定する
5/25の記事で「心=あなた、という公式が真実であるならば、」ということを書きました。
要約してみますと、
- 現象界(この世)と実在界(あの世)を貫いて、「本当のあなた」と言えるのは「心」しかない
- ゆえに、「心の内容」を高めていくしか、あなたの価値を高める道はない
- 心の内容は、「真理価値をどれだけ含んでいるか?」で決まる
- 来世、赴くべき世界は、真理価値をどれだけ自身のものにしたか✕真理価値をどれだけ人々に伝えることができたか?という仕事量で決まる
- 心の内容を高めていくためには、まずは、自らの心の動きを意識する練習をしましょう。そのために、仏教の五蘊(ごうん)=色受想行識の流れを意識してみるのも一つの練習ですよ
と、こんな内容でした。
ただし、
4. については「生まれてくる意味と目的って何だろう? –⑤菩薩界へ還るための公式」でご説明している内容です。
さて、
あなた=心である、ということは、別の角度から言えば、
「心の広さ/深さ」がどれだけあるか?その領域を拡大していくことが大事、ということにもなるわけです。
実在界は心だけの世界ですから、実在界で豊かな生活をするためには、心の領域を豊かにしていくしか方法はないんですよ。
そして、結局のところ、心の領域というのは、認識力がどれだけあるか?ということにかかっているんですね。
この認識力のことを、古い言葉で「悟り」と呼んでいるわけです。
心の領域を広げるには、まずは、読書から
認識力は智慧とも言いかえられますが、仏教では、智慧を開発する順序として三慧(さんえ)というものを説いています。
- 聞慧(もんえ)…まず、聞く=知識として仕入れる
- 思慧(しえ)…次に、思う=仕入れた知識について、自分に当てはめてみたり、いろいろ考えてみる
- 修慧(しゅうえ)…そしてさらに修習する=それを習慣化していく、あるいは、禅定で深めてみる
の3つです。
そういうわけで、まず、1.の聞慧=知識を仕入れる ということがすべての出発点になるわけですね。
これは、実在界の構造である「十界(じっかい)」で、「聖なる世界」が「声聞(しょうもん)」から始まっていることからも分かります。
まさしく、声聞=声を聞く=知識を仕入れる、ということですからね。
今回は仏法というよりも、もっと一般的な話も含みますが、
知識を仕入れる一番安上がりで、かつ効果的な方法は、やはり読書なんです。
そう、つまり、「読書をたくさんして教養を積んでいきましょう!」という…
いまどき、「あなたは明治時代の人間ですか?」的な(笑)話題ですが。
でもね…、
よく、見聞を広げる、というと「世界中を旅行しています」みたいな話になりがちですが、
イタリアならイタリアに行ったとしても、ただ観光して写真をパチリ、では、絵葉書を繰って眺めているのと大差ないんです。
もちろん、現地の人と交流してみたり、ということまで出来れば違った面はあると思いますけどね。
一方、
頭の良い人で思い浮かぶとすれば、哲学者のカントがいますが、
カントは生まれ故郷のケーニヒスベルクから一歩も出たことがない、という話が伝わっています。
でも、だからと言って、カントの見聞が狭いとは誰も言いませんね。
やっぱり、イタリアに旅行へ行ったとしても、
『ローマ人の物語 』(塩野七生著)とか、『自省録』(マルクス・アウレリウス著)をじっくり読み込んでいる人とは、味わいの深みがまるで違うわけです。
というより、たとえば、『自省録』を自室でじっくり読んでみるという行為。
これは、時空間を超えてマルクス・アウレリウスと対話しているようなものですので、一般の旅行より、むしろ「旅行」している、とも言えるわけです。
高田は、(正確に数えたことはないですが)、少なく見積もっても、およそ3,000冊くらいは読んでいると思います。
2年半前に買ったKindleだけでも(漫画を除いて)800冊以上入っていますから、実際はもっと読んでいると思いますが…。
今回の人生ほど、われわれの魂にとって、書籍の量/情報の量に恵まれた時代はおそらく初めてですので、
この「ネオ教養主義」「読書の方法/コツ」も大事な内容です。
何回かに分けて書いてみますね。
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