エネルギー問題は、相変わらず生命線
ここしばらく、仏教理論などを書いていましたが、久々にいくつか時事問題について書いてみようと思います。
本当は、比率的に8割くらいは時事問題に割いてもいいくらいです。
新しい思想運動を起こすということは、「真理を時代性や地域性に応じてアップデートする」ということですので、当然、「現代の問題」にも答えられなければいけません。
ただ、時事問題(政治・経済・国際問題など)については、現象界に降りている菩薩や菩薩候補生がけっこう目覚めて頑張っているんですね。
ここらへん、スピリチュアル・宗教系とはだいぶ事情が違います。
なので、私があまり(比率的に)たくさん言う必要もないのかな?と思って、思想系統のほうにちからを入れて記事を更新しているわけです。
時事問題ももちろん、同時代の既得権益から反発を食らうことが多いですが、
それでも、「同時代の偏見に抗しやすい」という意味では、現代日本ではもっとも「怪しげ」とされているスピリチュアル・宗教系よりは発言がしやすいでしょう。
そういう意味で、時事問題については、霊格の高いスピリットが地上に生まれて、比較的目覚めやすい分野であるとは思います。
ただ、ここしばらく、中東のほうですね。イラン – 欧米の対立軸が激化していますし、タンカーの襲撃事件もありました。
日本人は、私も含めてですが、どうしても中東問題は「遠く」感じてしまう傾向があります。
が、イランの問題については、若干、誤解があるのではないか?と思うところもあり、それに関連して、今回はエネルギー問題ですね。原発について考えてみようかと思った次第です。
イランと日本は元来、友好国なのですが、日米同盟もあり、また、日本は現実的に「アメリカに守ってもらっている」という状況は相変わらずですので、
イラン問題が起きると、どうしても米国追従型、あるいは日和見型の外交になってしまいます。
イランを含めた中東問題については別途、書いてみたいと思いますが、とりあえず心配なのはやはりエネルギー問題です。
日本の原油輸入については、現在でも中東への依存度が9割以上です。
今回のタンカー襲撃事件もホルムズ海峡で起きましたが、
ホルムズ海峡というのは、日本の原油輸入のルートになっていますので、ここで問題が大きくなると、日本および日本人の文字通り、生命線に影響してくることになります。
日本の電力は、どのようにして作られているかというと、約60%が火力、約30%が原子力と言われています。
ということは、ホルムズ海峡の問題というのは、
火力60%×0.9(中東への依存度)=54%
ということになりますね、エネルギー問題として。
そうしたなかで、「脱原発」を唱えてどうなるか?あるいは、「脱原発」を唱える人は、生命線であるエネルギーの供給について、根拠のある代替案を持っているのか?
ということです。
最近、故・渡部昇一教授が書いた『国家とエネルギーと戦争』という本を読んでみました。
「まえがき」に渡部教授の子供のころの体験談が書かれています。
それによると、当時、日本中のいたるところの山奥で川にダムができて、水力発電が進められていた。ダム工事の建設反対運動も多かったとのことですが、日本のエネルギーのためには仕方がない、ということで進められていたわけですね。
日本は御存知の通り、河川の数はとても多いわけですが、それじゃあ、その水力発電で全体の電力の何%を供給できるか?というと、なんと7%である、と。それに驚かれた、という話です。
そう考えると、原発の代替エネルギーとして、風力とか太陽光とかを挙げるというのはかなり非現実的な提案だということがわかります。
どう考えても、水力よりは発電量が小さいはずですからね。
原発は危険か?
放射線はむしろ健康に良い
「原発を廃止しよう!」という提案はまず100%、「原発は危険だから。人命に関わるから」というのを理由としていると思います。
ところが、それが本当に科学的な根拠があるのか?というと、じつはむしろ逆で。
まあこの場合、放射線ですね。放射線というのは、一度に大量に浴びればもちろん危険ですが、少量であればむしろ健康に良い、というのが科学的な結論だと思います。
ラジウム温泉にもみな喜んで入っていますしね。
そもそも、私たちは生きるために太陽光線が必要ですが、太陽は大地が燃えているわけではなく、あれは核融合で燃えているのです。
原爆では被爆者のほうが奇形児やガンの発生率が低い
日本人が原発に反発するイメージとしては、やはり、広島・長崎の原爆投下が大きいでしょう。
そして、死者の数であるとか、あるいは、「壁に人形の跡ができた」とか、そういうものも「放射線のせい」と何となくイメージで思い込んでいるケースが多いと思います。
ところが、広島・長崎の原爆投下での死因のほとんどは、爆風・熱風と家屋倒壊によるものです。
追跡調査によると、被爆者と非被爆者を比べた場合、被爆者の方がガンや奇形児の発生率が低い、という研究結果が出ているそうです。
チェルノブイリではどうだったか?
上記のことはチェルノブイリでも同様で、
チェルノブイリについては、爆発後に「甲状腺ガン」にかかった人が60数人いらっしゃったとか。そこで、またイメージとして、「放射線の影響で〜」となっているわけですが、
そもそも、チェルノブイリという地域は内陸部で海藻を食べる習慣がないため、むかしから甲状腺がんの発生率が高かった、ということなんです。
なので、原発事故とは無関係、ということです。
こういうデータがあったので、東日本大震災におけるフクシマについても欧米の学者から「除染は必要ない」という忠告があったわけです。
にも関わらず、原発を止めてしまったため、不足分のエネルギーを外国から買うことになっています。そしてその金額はなんと日割り計算で百億円以上かかっている、という状況になっています。
1日100億円という金額も物凄いですが、これ、お金が国外にでているということですからね。国内で1日100億円分が消費に回れば、経済波及効果はいかほどか?ということも考えるとじつに残念でなりません。
原発反対のほうが死傷者が増える可能性がある
そもそも、昔の石炭時代では、「炭鉱事故で何百人が犠牲になった」というニュースがよく流れていたはずです。
善意で「原発反対」というのも心情的には分かりますが、
少なくとも科学的根拠がはっきりしない「原発は危険だから反対運動」に参加するくらいだったら、年間2万人以上と言われている自殺者を救うキャンペーンに参加したほうがよほど人命を救うことに直結します。
原発反対運動については、「日本のエネルギー自給率が下がって喜ぶ国」の思惑および工作があるだろう、ということは知っておいたほうが良いです。
「原発反対」というと、すでに良いことをしている気分になりがちですが、これも言葉のイメージや先入観で判断しないことです。
むしろ、後述する「エネルギー問題で戦争に発展する/巻き込まれる」という歴史的事実を考慮すると、原発反対によって人命が大量に失われる危険性が高いということを考えなければいけません。
エネルギーという生命線を他国に握られてはならない
第二次世界大戦(および太平洋戦争)がなぜ起こったか?という理由は、いろいろ分析されていますが、これもやはりエネルギー問題があった、という側面を忘れてはなりません。
戦後教育では、第二次世界大戦は、「民主主義対ファッシズムの戦い」と教えられていますが、これは事実ではないですね。
ソ連のスターリンが民主主義だったでしょうか?また、西欧諸国がおおむね民主主義であったといっても、これは国内問題であり、対外的には植民地政策全盛の時代でしたよね。
第二次世界大戦は、「資源を持つ国と持たざる国との戦い」と言ったほうが正確なんです。
日本が南方へ進出したのも石油のためです。そして、開戦やむなきに至ったのも、いわゆるABCD包囲陣を敷かれて原油を止められたのが直接の原因です。
本当に「歴史に学ぶ」「過去の教訓を活かす」というのであれば、「エネルギーは極力、他国に依存しないこと」が大原則である、ということですね。
エネルギがー大問題であることは、ここ数日(2019/08/04現在近辺)の日韓問題を見ていても分かります。
第一次エネルギーではありませんが、日本の素材および工作機械というのは、現代の産業を稼働させるためのいわば「エネルギー」になっているのです。
だから、韓国では連日、報道レベルでも政治レベルでも、また市民運動でも、日本の輸出管理厳格化(ホワイト国除外)で大騒ぎ。いっぱいいっぱいになっています。
これは、日本の素材や工作機械が、いわば第二次エネルギーに相当している証左で、日本からの輸出が制限されると、サムソンも現代自動車もやっていくことができないからです。
かように、エネルギー自給率というのは大事なものですので、やはり、原油(火力発電)に頼らない原子力を真剣に考えることが必要です。
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