生まれては死んでゆけ ばか 生まれては死に 死んでゆけ ばか
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作者・出典:早坂類(短歌)・入交佐妃(写真):『ヘヴンリー・ブルー』
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破調の多い歌集で、掲出歌は五七七七になっています。
*破調=五七五七七の定型を破るしらべ
句分けで表示すると、下記のイメージですね。
生まれては/死んでゆけ ばか/ 生まれては死に/ 死んでゆけ ばか
「生」と「死」しか漢字が使われていません。
生と死のみが実在であり(「諸行無常」)、
ひらがなは、有限ないのちの叫びのようです。
反転された生命への賛歌、
いとおしみを感じ取ることができるでしょうか?
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他、好きな歌を二首あげておきます。
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巨大な透明感がやってきて不意に君、と思った瞬間に風が発った
この世の何にも似まいとした言葉が骨をよじのぼり歯をへし折って出ていく
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