「般若心経」の悟りを超えて –⑲無智亦無得

前回の続きで、今回はシリーズ19回目です。
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無智亦無得

読み:むちやくむとく

現代語訳:智慧も無ければ、また(新たに)得ることも無い

前回は四諦と八正道の”正見”までご説明いたしました。

四諦は結局、「人生の苦を超克し、さらに智慧に転化するための真理」ですので、最終的には”智慧を得る”ことに重点があるわけです。

ところが、般若心経では、「苦集滅道(=四諦)も本来的には無い」と実在の視点から否定していきますので、求める果実としての”智慧”も無いし、ということは、そもそも”得る”こともないのだ……と、ここまでの否定が入ってくるのですね。

それが今回の”無智亦無得”の意味です。

もちろん、前回ご説明したように、これはあくまで”実在側”からの視点、あるいは、”より上位の真理”の視点から、「無い」と言っているわけであって、

実践面においてはやはり、四諦は大事ですし、四諦の結果得られる”智慧”は人生の意味そのものと言えるくらい大事なことです。

いやむしろ、より上位の視点から視るからこそ、”本来、無い”苦集滅道(四諦)と智慧の獲得の重要性が逆説的に、ますますハッキリと見えてくる側面がある、と言えるでしょう。

さて、前回に引き続いて八正道について述べていきます。

八正道は、文字通り、「8つの正しい道」です。

正見(しょうけん)・正思(しょうし)・正語(しょうご)・正業(しょうごう)・正命(しょうみょう)・正精進(しょうしょうじん)・正念(しょうねん)・正定(しょうじょう)

これが八正道です。

そしてあまり知られていませんが、最後の”正定”のあとに、「正智(しょうち)・正解脱(しょうげだつ)」の2つをプラスして、合計、”十正道”とする考え方もあります。

これは結局、「八正道の実践の結果、正智=正しい智慧を獲得することができる。そしてその結果、正解脱=正しい解脱をなしていくのだ」という構造になっています。

解脱というのは、「智慧の獲得によって一切の執着から解き放たれて、自由自在な心境を得る」ということです。

八正道が手段であり、正智・正解脱が目的である、というふうにも言えるでしょう。

そもそも、四諦は苦しみの超克のための4つの真理ですから、まさに”正解脱”でゴールイン!ということになるわけです。

今回の、”無智亦無得”はつまり、

実在の側から見た上位の視点、空の視点から、”無智亦無得”とぶった切っているのは、まさにここの正智→正解脱の部分なのですね。

繰り返しになりますが、「本来、無い!」とぶった切りを入れるからこそ、正智→正解脱という実践的な流れの重要性がさらに観えてくるのです。

ここでも、”無智亦無得”と”有智亦有得”の2つの視点、有無の中道で観ていくことです。

それでは、”八正道プラス2”=十正道を詳しく観ていきましょう。まずは、8つの”正しい道”の流れを掴んでいくことにしましょう。

以下の説明文をつなげて読んでみてください。

  1. 正見:正しい価値観を持つことができれば、
  2. 正思:正しく思うことができる。
  3. 正語:なので、正しく語り、
  4. 正業:正しく行為することができる。
  5. 正命:ゆえに、”思い”と”言葉”と”行い”のバランスの取れた生活を営むことができる。
  6. 正精進:(そうした生活をベースに、)正しく精進・学びを積み重ねていく。
  7. 正念:(精進の方向性の)念いは”仏陀の教え・悟り”をいつも心に保持して、かつ目標にしていくことである。
  8. 正定:(そうすれば)正しい精神統一に入ることができる。
  9. 正智:(精神統一の中で)正しい智慧を獲得することができるので、
  10. 正解脱:その智慧をもって人生の”苦”を超克し、真の意味での自由を手に入れることができるのだ。

と、このように論理的な流れになっています。

通常は、八正道というと、8つバラバラに説明されることが多いのですが、それでは「何のために”8つ”なのか?それぞれの関係はどうなっているのか?」よく分からなくなってしまいますよね。

なので、まず上記のように、論理的な流れを掴んでみてください。

8つ(あるいは10)の流れは論理的につながっていますので、どこかに破綻があるということは、とりもなおさず、一番ベースになっている”正見”すなわち、「正しい価値観」がまだ腑に落ちていない、ということを意味しています。

たとえば、「どうもつい大風呂敷を広げてしまう、強がりを言ってしまう」という”正語”に問題がある場合、

強がりを言わないと内面の安定がとれないという心の思いがあるはずです。これは”正思”に問題があるということですね。

で、

なぜ強がりを言わないと内面の安定がとれないか?というと、正思の前提である正見=価値観に問題がある、ということになります。

たとえば、

自己の評価は本来は仏陀の教えに照らしてどうか?という”絶対軸”で決まるはずなのに、やはりまだ「他者の評価で自己の価値が決まる」という”相対軸”に固執してしまっているのだな…

という内省です。

このように、八正道はつねに”正見”という「価値観」の点検にまでさかのぼっていかないと浅いものになってしまいます

そのために、上記のような”論理的な8つの流れ”をまず掴んでいくことが大事なのです。

これも従来の仏教/仏教書ではなかなか教えてくれないところです。

ただし、八正道の項目を個々に点検していくこともやはり大事です。これをしっかり押さえておかないと”漏れ”がでるからなのですけどね。

たとえば、”正語”は伝統的には下記の4つを点検します。

  1. 不妄語(ふもうご):嘘をつかなかったか?
  2. 不悪口(ふあっく):悪口をいわなかったか?
  3. 不両舌(ふりょうぜつ):二枚舌を使わなかったか?
  4. 不綺語(ふきご):おべんちゃらや無駄話をしなかったか?

このように、キチンと点検項目が挙げられているからこそ、「あ、あの時、〇〇さんを褒めたつもりだったけど、実際はおべんちゃらだったのではないか?」

と、チェックしていくことができます。項目がなければ、スルーしてしまうことも多いでしょう。

八正道の各項目については、過去の記事でも書いていますので、参考になさってください。個々の項目については、市販の仏教書も参考になります。

参考記事:八正道に学ぶ仏教の神秘性および合理性

続き→→「般若心経」の悟りを超えて –⑳以無所得故

 

 

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