一念三千論 – 天使が悪魔になり、悪魔が天使になる!?

一念三千
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「今、この瞬間に」霊界のどこかの層に心が繋がっている

仏法では、現実世界での心の在り方(一生を通じての平均値)が、来世、赴くべき世界を決めるとされています。

そして実は、もっと言えば、「今、この瞬間に」霊界のどこかの層に心が繋がっているんですね。

「一生を通じた心境の平均値」と言われると、「明日以降もあるから、ま、いっか」となりがちですが、

「今の心境がどうか?」「今日一日はどうだったか?」「今週、1周間はどこに通じているのが多かったか?」をチェックしていくと、結果的に、心の平均値そのものを上げやすくなってきます。

そうした、「自分の”今”の心境が、”今”どこかの世界に通じている」と理論づけしたのが、他ならぬ十界論(じっかいろん)の天台智顗(てんだいちぎ)大師です。

参考記事:「天台智顗(てんだいちぎ)の十界 ー スピリチュアルな出世の段階一覧

この天台智顗大師が考案した理論を、「一念三千論」といいます。

ひとつの念(おも)いが、三千世界に通じていくという考え方です。

中国でいう「三千」という数字は、「全ての」とほぼ同じ意味です。

一念三千の計算法

以下、智顗がいかにして「三千」という数字を算出したか、ざっと書いていきますね。

十界互具(じっかいごぐ)

人は誰しも生まれてくる前に、霊界にて十界のどこかの世界にいたわけです。

*もっとも、修羅以下の「地獄」部分からは地上に生まれてくることができませんので、「地獄界出身」と言っても、いったんは最低限の天国部分である「人界」には上がっていく必要はありますけどね。

そして、その上で、”今”この瞬間に十界のどこかの世界に通じているわけです。

たとえば、もともと餓鬼界出身の人であっても、時には、「真理って何なのか」という「声聞界」に通じる心を起こすことがあるでしょうし、「人助けをしてみようかな」、という「菩薩界」の心をしばらく出すこともあるでしょう。

逆に、「菩薩界」出身の人であっても、時には、「あのやろーっ!」という修羅界の心を出すこともありますね。

キリスト教的に言えば、天使出身の人が悪魔の心を出すこともあれば、悪魔出身の人もたまには天使の心を出す、ということです

このように、日々の一瞬一瞬を切り取ってみれば、十の世界出身の人それぞれが、この世に生まれて十の心を起こすことになります。

この考え方を、十界互具(じっかいごぐ)と言います。

…ということは、世界としては、

十界✕十界=百界

ということになりますね。

十如是(じゅうにょぜ)と三種世間(さんしゅせけん)

さらに、法華経では、この世での存在様式を十如是(じゅうにょぜ)というふうに10通りに分類しています。

列挙しますと、(と言っても、以下の漢字、読まなくていいです・笑)

如是相、如是性、如是体、如是力、如是作、如是因、如是縁、如是果、如是報、如是本末究竟等

の10分類です。

十如是は、法華経を信奉する方にとってはすごく大事な思想とされているのですが、僕個人は「やや煩瑣哲学だなー」と思うので、あえて解説しません。興味のある方は、WIKIなどで調べてみてください。

*ちなみに、法華経のサンスクリット原本には十如是の思想は書かれていないそうです。

上記の、百界が10通りの存在様式を現すことができますので、掛け算としては、

百界✕十如是=1,000

になりますよね。

これを、百界千如(ひゃっかいせんにょ)と言います。これで、千の世界になりましたね。

さらにさらに(笑)、生き物が住む世界として、衆生世間、国土世間、五蘊世間の3つを三種世間(さんしゅせけん)と言います。→コトバンク

ということは、掛け算すると、

百界千如(=千)✕三種世間=三千世界

ということになります。これでやっと、3千になりましたね(笑)。

まあ、個人的には、「無理やり三千にしたな…」という感が(笑)なきにしもあらずで、十如是と三種世間は覚えなくてもいいと思いますよ。

学ぶべきところ

大事なのは、以下の4点だと思います。

  1. ”今”この瞬間に、霊界の十界のどこかに心が通じているということ
  2. 心は全ての世界(三千世界)に通じるものであるので、よく統御する必要があるということ
  3. 十界論、十界互具説をよく理解して、心の平均打率を上げること
  4. できうるならば、声聞以上の「四聖(ししょう)」の世界を狙うこと

です。

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